私は1年間上海で生活をして、いろんな中国人に会ってきました。
日本を好きな人、嫌いな人もいました。日本人ということで、私が接触する人は割と日本に好意的な人が多かったと思いますが…
いろんな人と触れ合ううち、なんとなく中国人の根底に共通するような、日本人に対するイメージみたいなのがざっくり感じられてきたので、今日はなんとなくその考察について滔々と書きたいと思います。
まず客観的な事実でもあるのですが、
日本の国土と中国の国土は、大きさが全然違います。
また中国のほうが国としての歴史があります。
ということを踏まえて、
まず、日本に対するネガティブなイメージは
「日本という小さな国なのに戦争中侵略してきた、鬼のようなやつらだ」というのが一番極端な考えです。
本当にこのように考えている人の数はそう多くないと思います。でもネットなどでこういう考えを書き込む人は一定数います。日本のネトウヨと同じ現象かと思います。
そして、それに次ぐネガティブ感情、つまり緩やかな日本蔑視の感情は、「小日本」と日本を呼称し、少しバカにした言い方に現れています。これは結構多くの人が少しはもっている感情のような気がします。
この感情が根底あったうえで、日本人は「小気」(ケチ)で中国人は「大方」(おおらか、太っ腹)だと言ったり、日本人は神経質で日本は生き辛そうだというような話はよく聞きました。
細かく計算する「AA制」(割り勘)が主流の日本とは違って、中国ではこぞって奢りたがる文化、という話も中国ではよく聞きましたが、それにも関連していると思います。
もちろん、日本にいいイメージを持っている人もたくさんいます。
そういう人たちは、日本の清潔さ、日本製品の質の高さ、アニメやドラマの面白さ、日本人の責任感の強さや真面目さを褒めてくれます。
そしてそのあと、その人たちが口にするのは、中国は日本を参考にしなければならない、学ばなければいけない、という言葉です。
例えば、「日本人のように、私たちも礼儀正しくするべき、中国人はほんとうにマナーが悪すぎるんだ」「日本のアニメは面白いから大好き、中国のはつまんない」などたくさん聞いてきました。
ちなみに、これは欧米人が日本文化を好きになるのと少し異なっているような気もします。欧米人の場合は全く異なる文化として日本文化に夢中になったりしますが、中国人の場合は大きく文化は変わらないので、あとはその質の問題で、先に発展した日本へのあこがれや尊敬の気持ちから、日本へ良いイメージがあるようです。
でもやっぱり、そのような人からも、大国(国土的、人口規模的、歴史の深さ的に)の余裕みたいなのを感じたりします。
中国人は韓国のドラマや日本の製品を手放しで褒めたり飛びついたりしますが、それは長年他国の文化を寛容に受け入れてきた、開かれた大国の文化なのではないかと、考察します。
現在中国の国としての政策は、あまり開かれていないですが、インターネットによって海外とつながれるようになった庶民は貪欲に海外の「イイモノ」を求めて外に目を向けています。少なくとも日本の若者のような内向き志向のひとは少ない気がします。
まぁ単に、中国の発展がまだ途中で、国内のものには満足できないというのもあるのでしょうが…。
とにかく、中国人が日本を見るときは、まず「中国は日本よりも大きな国なんだ」というのが根底にあって、その上に良いイメージや悪いイメージを個々抱いているように思います。
ということに対して、私は特に嫌な感情も良い感情もありません。たぶんそうなんじゃないかなぁ、とぼんやり考えた一日でした。