先日(7月23日~24日)、中国の成都で、
G20財務相・中央銀行総裁会議が開催され、
日本からも麻生太郎財務相と日銀の黒田東彦総裁が参加しました。
この会議に関する中国の報道をチェックしたところ、
討論された内容に関する報道がもちろん一番多いのですが、
開催国ならではの視点として、開催都市に注目した記事がかなりありました。
今回の会議があった場所は「中国西部」の四川省成都。
2016年の1月から中国各地で行われているG20関連会議ですが、
7月のG20財務相・中央銀行総裁会議で初めて、
中国西部での開催となったのです。
中国は東部(沿海部)と西部(内陸部)の経済発展の格差が激しく、
西部での開催は、中国人にとって目新しいニュースとなったのでしょう。
外国人から見ても、
今年のG20が開催される場所として、
上海や北京など、おなじみの国際都市だけでなく、
7月の成都や、9月にG20首脳会議が開かれる杭州など、
すこし見慣れない都市の名前が出てくることに気が付くかと思います。
今回は、G20開催にあてて、この2つの都市について取り上げます。
中国の新聞から見る成都開催
まずは直近でG20の会議があった成都は、
現在多数の新聞で取り上げられています。
(央视新闻 2016-07-23)では、「G20はなぜ中国西部の都市成都を選んだのか?」が解説されています。
――近年、西部都市の成都の経済における地位は、絶えず上昇している。それが、今回、会議の開催地に選ばれた重要な理由である。経済規模でいえば、成都のGDPは11202.6億元で、中国の省都のなかでは第二位。関係者によると、G20会議がこのたび初めて中国西部で開催されたことは、成都の近年の経済や社会の発展を認め、G20会議が今後さらに中国内陸部に目を向け、その包容力と開放性を発揮していくことを表している。
開発の遅れが指摘される西部において、
国際会議を開催することで、
その発展のアピールと、国際都市としての地位向上を目指しているんですね。
確かに、今後、中国の経済発展に伴って、
上海や北京以外の都市の存在感も高まっていくでしょう。
とりわけ、9月にG20首脳会議が開かれる杭州は、世界中から注目を浴びそうです。
G20首脳会議が開かれる杭州ってどんなところ?
浙江省の省都である杭州は、
上海から近く、高速鉄道(中国の新幹線)で、1時間足らずで行ける距離です。
世界文化遺産の西湖があり、
観光客もかなり多い都市で、市内の渋滞の深刻さが有名です。
さて、この杭州では、
9月4日~5日のG20首脳会議に向け、どんな準備がなされているのでしょうか。
(杭州发布 2016-07-02)によると、
会議開催に向けて、9月1日から7日までの間、
関連地区にある役所、会社は全て休みとするように決められたそうです。
学校はちょうど夏休みですが、開始は8日以降となるよう定められました。
さらに、(青年时报 2016-07-14)によると、
杭州市民には、近郊をはじめとした様々な旅行地での優待割引が用意されるそうです。
杭州人ラッキー!
杭州の渋滞緩和のためにも、開催期間は旅行に行っておいてほしいということなのでしょう。
ほかにも、7月の段階から、
警備にあたる公安の組織が、会議の円滑な開催に向けて決意表明式を行ったり、
省政府が準備・開催期間におけるドローンの飛行を禁ずる決定を出したりと、
準備が着々と進められているようです。
どのニュースを見ても、G20の成功に向けた、中国の並々ならぬ意気込みが伝わってきます。
今後も、この状況を見守っていきたいと思います。