オリンピック閉会式 トーキョーショーを中国人はどう見たか(その1)

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中国の新聞のなかに、
リオオリンピックの閉会式における、日本のトーキョーショーを論ずる記事がありました。

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↓トーキョーショーの動画はこちら

 

興味深い視点から語られていましたので、これを全文翻訳します。

 

(腾讯文化 08-29  作者 唐三皮)より

桜の花、歌舞伎が登場しないトーキョーの8分間は、私たちに何を教えてくれるか

概要:トーキョーショーにおける各種のブラックテクノロジー(ブログ筆者注:日本のアニメ中に出てきた言葉が語源。中国では、現実的にあり得ないような最新の科学技術を指して使われる)は、新しい文化を創造する必要性だけでなく、その伝え方を刷新する必要性を私たちに教えてくれた。簡単にいえば、とにかく流行をとらえていて、おもしろくないとだめだ、ということだ。

オリンピックは国家のイメージと文化を他に示す、重要な舞台である。
リオオリンピックの閉会式において、日本の東京はバトンを受け取って、情感と最新の科学技術に満ちた8分間の宣伝ムービー&会場でのパフォーマンスを披露し、満場一致の好評を獲得した。
日本はソフトパワー大国であり、文化の輸出が功を奏した結果、世界的な影響力を持っている。
目下、国家の印象と文化影響力を高めるべく努力している中国にとって、トーキョーショーはどんなアイディアを私たちに示しているのだろうか。

 

1、中国は、「かつての繁栄」に浸るのをやめ、現在と未来に目を向けるべきである

オリンピックの閉会式ではいつも、次のオリンピック開催都市が8分間の宣伝ムービーと会場での演技を披露する。これは本当に得難い、全世界の人たちに向けて、国家のイメージを宣伝し示していく機会である。そのため、ほぼすべての実施国は、最高の監督に依頼し、最高の創意工夫をし、最もその国を良く代表する文化のシンボルを使って、最良の国家イメージを創り上げようとする。

トーキョーショーより以前、アテネオリンピックの閉会式においてペキンショーは世界に何を見せたのか、先にちょっと振り返ってみよう。
2004年のペキンショーは、全部で3つのパートから成っていた。まず第一パートは、国内のいくつかの名門芸術学校から選ばれた12人の美女がミニ丈のチャイナドレスをまとい、琵琶、二胡、手鼓(小さな太鼓のようなもの)など伝統的な楽器を用いて太ももを出しながら飛び跳ねて「茉莉花(ジャスミンの花)」を演奏した。そのあと、白い衣装の美女が長い帯を使った舞を披露した。
第二パートは、中国カンフーということで、武術や太鼓を使った音楽のパフォーマンス。河南省の少林寺学校からきた28名の演者が、色んな色の民族衣装をまとい、美しい楽曲「酔鼓」に合わせて、手にした28の赤い灯篭に向けて武術を捧げた。第三パートは京劇の上演だった。

トーキョーショーは違った。
オリンピックの旗を引き継いだ東京都知事の小池百合子が伝統的な着物を着ていたこと以外は、剣道、茶道、歌舞伎など伝統的な「日本の名刺」は使われず、流行りの文化が取って代わっていたのだ。マリオ、ハローキティ、ドラえもん、キャプテン翼など世界的に知られたゲームや漫画の登場人物が舞台に現れた。会場ではブラックテクノロジーが披露された。舞台中央では、ロボットの動きにより徐々に日本の国旗が姿を現したし、パフォーマンスにはCGとAR技術(拡張現実)が使用され、東京オリンピックを代表する33の競技種目を行う人の像がスタジアム上空に映し出された。

パフォーマンスの点からいえば、ペキンショーもトーキョーショーも、どちらもとても優れている。しかし、背後にある思想と目的は明らかに違っている。ペキンショーでは、チャイナドレス、二胡、ジャスミンの花、カンフー、赤灯篭、京劇などの文化シンボルを用いて、できるだけ、古くから栄えた国の文化の歴史を示そうとした。一方日本は、漫画や流行の文化、高い最新技術を用いて、文化と科学技術をけん引する存在としてのイメージを打ち出そうとしたのだ。

過去の繁栄は、もちろん引き継いで、広く宣伝していく必要がある。しかし国家間の競争と国民の生活は、とどのつまり現在に軸を置き、未来を向いているものである。この点からいって、トーキョーショーは参考にする価値がある。

12年前、ペキンショーは「過去の繁栄」を示すことに重きが置かれていた。初めての大舞台だったため、自信のなさや気恥ずかしさだけでなく、何を誇っていいかわからないやるせなさもあった。12年かけて、中国はすでに世界第二位の経済大国の座を確固たるものとし、文化レベルや科学技術力を大きく上昇させた。そしてより積極的により深く、国際競争に参戦し、より自信をもって国家の力を示すことができるようになった。このような状況と条件下において、我々は、チャイナドレス、二胡、赤灯篭、京劇以外にも、新しい国家の名刺を探し、打ち出していくべきである。我々は、より現代性と創造性に満ちた中国の新しいイメージを創り出すべきなのだ。

 

このあと、考察は項目2、3と続いていきますが、長くなってしまうので、別の記事に分けます。
近日中に、翻訳、公開します~!

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