ウーバーイーツ開始!中国、韓国に食品宅配ビジネスで遅れをとる日本

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ウーバーイーツが日本でサービス開始!

ウーバーが手がける、「UberEATS(ウーバーイーツ)」が、9月29日11時より、日本でサービスを開始します。

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もともとは自動車配車ウェブサイト・アプリのウーバーですが、日本ではタクシー業界の反発や法律の規制によってうまく進出、機能できていませんでした。

そこで今回は法律に抵触しない派生サービスである、小型バイクや自転車を用いた食品宅配(フードデリバリー)サービス・ウーバーイーツを日本で始めることにしたのです。

利用者がスマホのアプリから料理を選ぶと、そのとき近くにいる配達員が飲食店で料理を受け取り利用者に届けてくれます。

店側は初期投資なしで配達サービスが始められ、配達員は自分の空いた時間を有効活用して仕事ができ、利用者は料金を払うことでこれまでデリバリーサービスのなかった店舗の料理も食べることができます。ウーバージャパンの社長が語るように、まさに「3者にメリットがある」といえそうです。

最初は東京都渋谷区、港区でサービスが開始され、これから順次地域を拡大していく予定だそうです。すでにイタリアン、焼き肉屋、精進料理など150以上のレストランが利用できます。

日本では画期的なサービスのように見えますが、実は海外それもお隣の中国、韓国では、この食品宅配サービスはもうすっかりおなじみです。

日本では、やっと、しかもウーバーという外資系企業が始めたのです。

 

競争が激化する中国の食品宅配サービス

上海にいた自分は、平均週1~2回、スマホのアプリから食品宅配サービスを頼んでいました。

このアプリも大手がいくつかありまして、私は「百度外买」、「美团外卖」、「饿了么」の3つのアプリをダウンロードしていました。

ちなみに、中国語で食品宅配サービスは「外买」といいます。买は買うという意味。

百度は中国のグーグルと呼ばれる企業で、幅広くインターネット事業を手掛ける会社です。「饿了么」は中国語で「饿了吗?(おなかすいた?)」からきていて、この外买アプリの成功で近年急成長しています。

中国ではたくさんの会社が参入しており、競争が激化している宅配食品サービス事業ですが、この3つのアプリの会社は特に規模が大きく、加盟店が多いと思います。

そして、それぞれ、加盟しているお店が少し異なっています。マクドナルドやビザハットなどの大手外資チェーン店はだいたいどれにも加盟しているのですが、小さな町の食堂などは全てに加入はしておらず、だいたいどれか一つ(か二つ)に加入していました。

そう、中国、特に上海では、どんなに汚い小さな個人経営のお店でも、店のどこかに、これらのアプリのシール、「加盟店」のしるしが貼ってあるのです。これには初め、驚きました。

こうして、私は3つのアプリを巡回し食べたいものとお店を探したり、それぞれのアプリごとに優待があるときはそのクーポンがあるアプリを選択して、外买を利用していました。

 

宅配食事のプチ日記

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↑焼き小籠包の宅配してもらう。黒酢やラー油などは写真のように袋に入って口を結んだ状態でやってきた

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↑家の近くの食堂だが、宅配をお願いした。きのこと牛肉炒め。ご飯の上におかずがのっている

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↑日本料理を出す韓国料理屋さんの出前。うどんと巻きずし。うーん、という感じだった

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↑かなりリピートしていた吉野家の宅配。日本と味はあまり変わらない。キムチや茶碗蒸し、コロッケも頼んだ

このように、本当になんでも宅配してくれます。

引きこもりはより完全に引きこもれる、魅力的ながらも危険でもある食品宅配サービスです。

 

食品宅配サービスアプリを使うための手続き

しかしこのアプリは、中国に行ってすぐに使えたわけではありません。まず中国の銀行で口座を開設し、その口座を使用して、中国の2大「おサイフケータイ」である、アリペイ(支付宝)とウィーチャットサイフを使えるように登録しました。

アリペイは中国シェアNo.1のオンライン決済方法で、最近は日本でも中国人観光客のためにアリペイ対応のお店が出てきています。ウィーチャットサイフとは中国のLINEのような存在であるウィーチャット(微信)に付いているおサイフ機能です。この2つの競合は激しくて、どちらも似た機能なのですが、多くの人が両方のアプリをダウンロードして、使っていました。

とにかく私もこのおサイフケータイを使えるようになったからこそ、外买アプリの決済ができるようになり、外买を自由自在に使うことができるようになりました。外买アプリに加盟する多くの店は、先にスマホを使って支払いを済ませることで注文が完了できます。

宅配料はだいたい、商品のお金に、5元~15元(約80円~240円)を別途上乗せで払ったりしていました。中には、例えば120元分の料理を購入をすると宅配無料!などのお店もありました。お店によって、宅配料の設定は異なっていたのです。

しかし、冬の寒い日や大雨の日にも、5元の宅配料(お店からも支払いがあるのかもしれませんが)でバイクに乗って料理を届けてくれる宅配員には、申し訳ないような気持ちもしました。宅配員(中国語で快递员)の仕事は中国でも、あまり給料が良くない職業のようでした。

貧富の差、職業による年収の差が大きな中国だからこそ成り立ち、ここまで盛んになったサービスなのかとも思います。

 

韓国でも「配達の民族」など食品宅配サービスアプリが台頭

とはいえ…中国だけでなく、今や韓国でも、食品宅配サービスはかなり盛んなようです。

先日、テレビ東京のワールドビジネスサテライトで、

韓国のフードデリバリーアプリ業界1位の「配達の民族」というアプリが取り上げられていました。手掛けるのはベンチャー企業のウーワ・ブラザーズ。

ジャンル別に登録された店舗リストから注文し、スマホの位置情報で住所を知らせ、クレジットカードの番号を入れれば決済できるそうで、中国の食品宅配アプリと、ほぼ同じ仕組みのようです。

すでに韓国ではのべ2400万人が利用しているそうで、今後海外展開を視野にいれているとのこと。

料金システムは、アプリの登録や販売手数料は無料ということで、ウーワ・ブラザーズは広告で収入を得ています。

「配達の民族」の月間注文数は880万件にのぼるということで、韓国でも、食品宅配サービスはかなり盛んなようです。

 

中国・韓国ではここまで盛んな食品宅配サービス、日本ではなぜ遅れているのか

3つの要因が考えられると思います。

要因①日本ではスマホ普及率、クレカやおサイフケータイ普及率が低い

韓国では9割以上の人がスマートフォンというデータがあります。中国でも人々が新しいもの好き、というか抵抗感が少ないため、スマホへの移行がかなり進んでいます。

また、中国では日本よりもずっと、アリペイやウィーチャットサイフの普及が進んでいます。お金を持ち歩かず、友達とごはんをして割り勘をするときも「アリペイで送るね!」が当たりまえです。このような振り込みには一切手数料はかかりません。

また、韓国では日本の4倍以上のクレジットカード決済があるようです。

このように、食品宅配サービスアプリにそもそも必要な環境、スマホとインターネット決済手段が、中国と韓国に比べて、日本ではあまり普及していないのです。

これには、法律の規制が多かったり、お金やテクノロジーに対して、保守的で安全を重視する日本人の考え方が関係しているのでしょう。

要因②食品宅配の文化

もともと、韓国や中国では、日常的に外で食べ物を買って帰ったり、(韓国では)電話でいろんな食品を宅配してもらったりのサービスが盛んでした。この文化的土壌があったからこそ、その手続きが飛躍的に便利になるアプリの開発が進み、その受け入れもスムーズだったのでしょう。

日本では食の安全に対する意識が高いことも関係しているのか、もともとピザや寿司など一部の食品しか宅配サービスをしていません。また、外食よりも家で作って食べることのほうが一般的です。

要因③宅配料金の高さ

中国では間違いなく、人件費の安さが、食品宅配サービスの発展を後押ししています。いくら宅配してほしくても、宅配料金が高ければ利用する人は増えません。その点、所得の格差が激しい中国では、給料が安くても宅配の仕事をしたい人がたくさんいます。

韓国でも、同じ状況なのかは少し不明です。しかし、やはり韓国の宅配料金も、日本に比べ安いようです。

日本で、ウーバーイーツは当面、配送料を無料にしてサービスを開始するようです。今はサービス普及のため、その費用はウーバーが被るということなのでしょう。

今後、特に最低賃金が高い東京で、配達員の人手と配達料のバランスはどう保たれていくのか、注目です。

 

様々な要因により、日本ではまだ始まったばかりの食品宅配サービス事業。

しかし、便利なことは間違いないので、今後日本に根付くように様々な工夫を凝らし、いろんな会社がこの事業に参入していくことが考えられます。

 

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