最近、日本のニュースを騒がせている、スマートフォン・ゲームのポケモンGo。
日本での配信はすでに、決まっています(とはいえ、いつなのかいつなのかと日本人をやきもきさせていますね)。
今後、全世界のほぼすべての国での配信が予定されているようです。
しかし、配信予定のない国として、公式が中国、韓国、台湾、キューバ、イラン、ミャンマー、スーダンを挙げました。
やはり、アメリカ企業であるグーグルアカウントやグーグルマップへのアクセスが必要なことがネックになっているようです。
確かに実際の体験として、
中国大陸にひとたび入ると、VPNを使わない限り、グーグルの検索エンジン、グーグルマップは全く使えませんでした。
仕方なく、中国人がみんな使っているバイドゥマップ(百度地图)を使うしかなかったのです。
まず、(フォーブスジャパン 2016-07-18)の記事によると、
――任天堂がポケモンGoをリリースするには、アリババやバイドゥの協力を得てマップを使わせてもらい、規制当局の承認を受ける必要がある。
……まず、中国事業者のサーバーを使用し、次に政府関連のデリケートな場所をマップに一切表示しないようにしなければならない。
……中国政府は7月1日から、すべてのオンラインモバイルゲームは当局の検査を経なければリリースできないルールに改めた。
ということでした。
道のりは遠そうですね。
そんな状況を、中国ではどのように報じているのか、探してみました。
そもそも、今のところ一面ニュースでは、ポケモンGOについてあまり報じられていないようです。
科学技術関連ニュースのなかに、ポケモンGOに関する記事を見つけることができました。
(腾讯科技 2016-07-13)には「ポケモンGoはしばらく中国でリリースされない、という発言があったが、すぐにその公表内容は削除された」という記事がありました。
――(公式が中国での配信予定はないと言ったことが伝わると)当然13億の中国人は驚愕したが、このメッセージはすぐに削除された。
(腾讯科技 2016-07-16)の「ポケモンGoは、まもなく200カ国で配信されるが、中国に関しては言葉を濁した」という記事によると、
――NianticのCEO、John Hankeは、「もうすぐ日本でもプレイできるようになる。最終的にも韓国でのリリースも想定している。韓国では、北朝鮮に関係する安全上の理由からグーグルマップの利用が制限されている。しかし、この問題が解決できるよう願っている」と話した。
市場研究機関のNewzooによると、韓国は、中国、アメリカ、日本に続く、世界第4位のゲーム市場だということだ。
しかし、JohnはポケモンGoの中国市場における今後の戦略については、あまり触れたくないようだった。ただ、中国では政府の監視管理のルールを考慮する必要がある、と述べるにとどまった。
また、虚拟现实与增强现实というネットニュース配信者が7月18日に配信した記事によると、
――中国のゲーム愛好家たちはポケモンGoをずっと待ち望んでいるけれども、現状から判断するに、このゲームはグーグルの提供するサービスをダウンロードせねばできないらしい。この障壁は、中国国内のユーザーにとって致命的だろう。
……容易に予想されることだが、中国国内では、たくさんのゲーム、ポケモンGoのパクリゲームが出てくることだろう。実際、すでに登場している。もちろん、クオリティは本家と比べて明らかに劣っている。しかし、これも中国ゲーム愛好家のこのゲームへの期待度合の現れと言ってよい。
なんと、すでにコピー商品が多数存在するようです。
あるメディアの発表によると、ポケモンGoのブーム後、全世界で20を超える類似ゲームが登場しているとのこと。
「GoCatchEmAll!-HungryMonster」
「城市精灵Go(シティモンスターGo)」
「精灵宝可梦游戏(ポケットモンスターゲーム)」などの名前が挙げられています。
最後に、ポケモンGo関連ニュースによく出てきた用語を3つ紹介します。
①口袋妖怪Go =ポケモンGoを中国語でいうとこうなります。口袋はポケットの意味なので、そのままですね。
また、精灵宝可梦Goとも言っています。精灵宝可梦は、香港など広東語圏での「ポケモン」の訳語。精灵は妖精、モンスターの意味。宝可梦はポケモンの当て字です(バオクーモンと読む)。
②AR(增强现实)游戏 =拡張現実ゲーム
③BAT =Baidu(百度/バイドゥ)、Alibaba(阿里巴巴/アリババ)、Tencent(腾讯/テンセント)をあらわす。中国のインターネット業界を牛耳る3大企業。
ポケモンGoが中国進出するためには、BATのマップ、BATの力を借りねばならないだろうと予想されています。